3月21日は世界ダウン症の日です。
今年は有名な歌手のスティングさんが「Hiring Chain」という曲を作成し、
ダウン症をもった方々の雇用をする取り組みに協力をしています。
日本においては、1960年に制定された「身体障がい者促進法」がもととなり、最新では2020年4月の改正を経て「障がい者の雇用の促進等に関する法律(障がい者促進法)」が制定されています。
しかしながら、従業員数が43.5人以上の場合に障がい者を雇用しなければいけないことを認知している民間企業は、わずか38%にとどまっており、さらに障がい者の雇用率は驚くことに2.2%で、達成率は41%と低水準です。
障がい者を雇用するきっかけは「法定雇用率を達成するため」という理由が一番多く、雇用しない理由は「障がい者に適した業種、職種ではないから」「受け入れる未整備だから」といった理由が挙げられています。
障がい者を雇用することは、本当にそんなに難しいことなのでしょうか。確かに個人の障がいの程度は、それぞれ異なります。「仕事」に焦点を当てたら、その仕事を「できる」「できない」で判断するしかないのかもしれません。
でも「仕事をする」ということに焦点を当てれば、その「個人の能力を生かす」内容や場所をみつけることができるのではないでしょうか。
ちょっと待ってください。これは障がい者だから当てはまることなのでしょうか?いいえ、違います。すべての人に当てはまることです。
私たちは自分の能力を生かせる職種を選びますし、効率よく、働きやすいように環境を整えます。ひとりでやり通すのが難しいことも多く、一緒に働く人たちに助けてもらうこともあるし、失敗することもあります。
でもやり通しときには、達成感も得られるし、その仕事に対してのモチベーションをより高く持つことができます。
「仕事をする」ということ=「その人の能力を生かすこと」と考えれば、きっと適した仕事を見つけたり、作り出すことができます。「その人の能力を生かす」と考えれば、障がい者の雇用だって、もっと進むはずです。
私たち作業療法士は、「その人の能力を最大限に生かすことのプロフェッショナルでもあります。自分の能力ってなんだろう?と考えている方やそのご家族はもちろんのこと、障がい者の雇用を考えている企業も、ぜひ作業療法士に相談してみてください。
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